全身性強皮症と線維化の進行(Rheumatol (Oxford).2023)

ジャーナルの略. 出版年: Rheumatol (Oxford).2023 一言要約: 全身性硬化症(SSc)関連間質性肺疾患(ILD)患者における進行性肺線維症(PPF)の発生頻度と生存への影響。

論文のタイトル: Progressive pulmonary fibrosis and its impact on survival in systemic sclerosis related interstitial lung disease
著者: Kathleen Morrisroe, et al
出版年: 2023
ジャーナル: Rheumatology (Oxford)
PMID: 37725359

全身性強皮症関連間質性肺疾患において、1年後の線維化進行は約40%で認め、高齢、びまん皮膚硬化型、自己抗体との関連が示唆されました。

概要
全身性強皮症(SSc)関連間質性肺疾患(ILD)の新規発症コホートにおける進行性肺線維症(PPF)の頻度と生存への影響を記述する。
方法: ILDは胸部HRCTスキャンで特徴的な線維化変化の新規発症として定義された。PPFは2022年アメリカ胸部学会による定義に基づいている。PPFの決定要因は一般化推定方程式を用いて特定された。生存への影響はaccelerated failure time regression modellingを用いて分析された。
結果: SSc-ILDケースの38.8%(n = 180)がILD診断後12ヶ月以内にPPFを経験した。PPFの決定要因には、高齢(OR 1.02、95%CI 1.00-1.03、p=0.011)、びまん皮膚硬化型SSc(OR 1.54、95% CI 1.06-2.25、p=0.024)、およびSSc特異的抗体(抗セントロメア抗体 OR 0.51、95%CI 0.29-0.91、p=0.021、抗Scl-70抗体 OR 1.46、95%CI 1.01-2.09、p=0.043)が含まれる。CRPの上昇はPPFと数値的に関連していたが統計的有意性には達せず(OR 1.29、95%CI 0.99-1.68、p=0.064)、GORDや嚥下障害も同様であった(OR 1.18、95%CI 0.57-2.42、p=0.658、OR 1.17、95%CI 0.57-2.40、p=0.664)。PPFの存在はSSc-ILDの生存に有意な影響を与えた(ハザード比2.66、95%CI 1.59-4.41、p< 0.001)。
結論: 当コホートのSSc-ILD患者の約3分の1でPPFが発生したが、その発生は死亡率と有意に関連しており、免疫抑制および/または抗線維化療法の早期導入が適切であるリスク群を示している。

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