IPFにおける在宅酸素療法後の予後と予後因子(Scientific Reports. 2023)

論文のタイトル: Cohort study to evaluate prognostic factors in idiopathic pulmonary fibrosis patients introduced to oxygen therapy
著者: Kensuke Kataoka et al.
出版年: 2023
ジャーナル: Scientific Reports
PMID: 37608014

IPF患者における酸素療法導入後の予後と予後不良因子を評価するコホート研究が報告されました。

概要:
高水準のエビデンスが不足している中で、特発性肺線維症(IPF)および他の間質性肺疾患における補助酸素の価値が数多くの後ろ向き研究で解析されており、必要な場合にはその使用が奨励されるべきである。しかし、酸素療法を導入されたIPF患者の臨床経過と生存率はまだ完全に理解されていない。
この研究の目的は、酸素療法開始後のIPF患者の総生存率、予後に関連する要因、死亡原因を明らかにすることである。
間質性肺疾患に精通した19の病院で酸素療法を開始したIPF患者を登録した前向きコホート多施設研究である。酸素療法開始時の基準と、死亡と死亡原因を含む3年間のフォローアップデータを評価した。予後に関連する要因は、単変量および多変量解析を使用して分析した。
合計147人の適格患者が参加し、そのうち86人(59%)が労作時酸素療法を処方され、61人(41%)が長時間酸素療法を処方された。そのうち111人(76%)が、中央値479日のフォローアップ期間中に死亡した。酸素療法開始からの生存期間中央値は537 ± 74日であった。単変量解析では、低BM)、低努力肺活量(FVC)、低拡散能(DLCO)、安静時低酸素血症、6分間歩行距離の低値、COPD評価テスト(CAT)スコア高地が予後不良と有意に関連した。多変量解析では、低BMI、低FVC、低DLCO、6分間歩行テストの最小SpO2が低いこと、CATスコア高値が独立した予後不良因子であることが示された。
酸素療法開始後のIPF患者の総生存率は約1.5年である。肺機能検査に加えて、6分間歩行テストと患者報告アウトカムを使用して、より正確に予後を予測することができる。

在宅酸素療法導入後の生存曲線(文献より引用転載)
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