市販後データからわかるニンテダニブの副作用(Adv Ther. 2024)

間質性肺炎の治療薬の一つにニンテダニブがありますが、日本では使用されて約9年が経過しました。現在、ニンテダニブは特発性肺線維症、進行性線維化を伴う間質性肺疾患、漸新世強皮症に伴う間質性肺疾患に適応とされています。

今回、ニンテダニブの市販後データの解析結果が報告されました。下痢の約60%は開始後3か月以内に発生し、大半が非重篤な下痢であったようです。下痢を中心とする副作用に留意し都度しっかり対応することで、ニンテダニブの継続をサポートする必要があります。

引用文献:Chaudhuri N, Azuma A, Sroka-Saidi K, Erhardt E, Ritter I, Harari S. Safety and tolerability of nintedanib in patients with fibrosing interstitial lung diseases: Post-marketing data. Adv Ther 2024.

背景と方法
■ニンテダニブの市販後安全性データを提示する
■ニンテダニブを使用した線維性ILD患者の有害事象データを自発報告および研究で収集(臨床試験は除外)し、2014年10月15日から2023年10月15日までのデータを解析
■有害事象はMedDRAに基づき分類され、ニンテダニブの累積使用は販売データを基に推定

結果
■ニンテダニブの累積使用は380,557患者年に相当
■下痢の発生率は1000患者年あたり227.5件で、うち重篤なものは2.6%
下痢の約60%が治療開始から最初の3か月以内に発生
■肝酵素およびビリルビンの上昇(薬剤性肝障害含む)の重篤事象率は1000患者年あたり4.0件
■出血は1000患者年あたり24.2件で、その大部分(81.3%)は非重篤
■心筋梗塞、虚血性脳卒中、静脈血栓塞栓症の発生率はそれぞれ3.3、3.3、2.0件/1000患者年
■消化管穿孔は0.9件/1000患者年

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