間質性肺炎の重要な疾患の一つに特発性肺線維症(IPF)があります。現在、特発性肺線維症(IPF)に対してピルフェニドンとニンテダニブの2種類が治療薬として使用できますが、まだ疾患進行を抑制する効果しかありません。
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【保存版】特発性肺線維症(IPF)とはどのような病気か。 | 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
間質性肺炎の原因は様々であり、膠原病や吸入抗原への曝露、薬剤などが原因となりえます。 その原因を検索するため、多くの時間をかけて問診や身体診察、検査などを行いま…
今回、この特発性肺線維症(IPF)に対する新たな治療薬であるNerandomilastのピボタル第3相臨床試験の結果がプレスリリースされました。主要評価項目である52週時の努力肺活量(FVC)のベースラインからの絶対変化量(mL)を達成したそうです!
引用:https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/press-24-0917
Nerandomilastはホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)阻害剤であり、これまでの治療薬と作用機序が異なります。これまで線維化が主体と考えられてきた特発性肺線維症(IPF)に対して、病態解明への新たな一歩が期待されます。
今回の結果をふまえ、世界各国の保健当局に新薬承認申請を提出する予定のようです。日本でも新薬承認となるのか、今後の動きに注目です。