特発性肺線維症、進行性の間質性肺炎、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の治療薬の一つにニンテダニブ(商品名:オフェブ)がありますが、実は高齢者に関しての副作用のデータは不足しています。
ニンテダニブに関しては以下の記事もご覧ください。
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一般的に、ニンテダニブでは、下痢や肝障害、食欲不振などの副作用に注意が必要です。
■既報では、高齢者では、副作用により薬剤中止となる割合は多く、特に食欲不振や体重減少には注意が必要といわれています。
Glaspole I, et al. Efficacy and safety of nintedanib in patients with idiopathic pulmonary fibrosis who are elderly or have comorbidities. Respir Res 2021;22:125.
■また、日本における実際の臨床現場からの報告でも、下痢や肝障害に関しては年齢で差はないとされていますが、やはり食欲不振や嘔気、倦怠感に関しては高齢者で多く認める副作用でした。
Uchida Y, et al. Tolerability and safety of nintedanib in elderly patients with idiopathic pulmonary fibrosis. Respir Investig 2021;59:99–105.
長期的な効果を期待するため、高齢者に対するニンテダニブの使用に関しては、特に食欲不振や体重減少に関して注意をする必要があります。