強皮症の診断後15年死亡率(RESCLEスコア)

全身性強皮症の診断後15年の死亡率を予測するスコアリングモデルがスペインから報告されています。このRESCLEスコアは10点満点で3群に分類し、死亡率を予測しました。

Rubio-Rivas M, et al. Spanish scleroderma risk score (RESCLESCORE) to predict 15-year all-cause mortality in scleroderma patients at the time of diagnosis based on the RESCLE cohort: Derivation and internal validation. Autoimmun Rev 2020;19:102507.

 

一言解説

強皮症診断時のスコアリングモデル(RESCLEスコア)が発表された。合計10点満点で評価し、点数に応じて低リスク群、中リスク群、高リスク群に分類することで、15年後の死亡率が予測できることが明らかとなった。

 

 

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

これまで、全身性強皮症(SSc)の短期死亡リスクを予測するスコアがいくつか報告されている。本研究では、SScの診断時に15年間の全死因死亡率を予測するスコアを作成することを目的とした。

 

方法

本研究は、Spanish Scleroderma Registry(RESCLE)に基づくものである。コホートは、派生コホート(DC)と検証コホート(VC)に分割された。SSc診断から15年以内の全死亡に関連する変数を検出する多変量解析を行い、丸められたベータ値に点数を割り当ててスコア(RESCLESCORE)を作成した。

 

結果

1935人のSSc患者を対象とした。

最終モデルの変数は、

  • 診断時年齢が65歳より高齢(+2点)
  • 男性(+1点)
  • 皮膚限局型SSc(-1点)、
  • レイノー以外の発症様式(+1点)
  • がん(+1点)
  • 間質性肺疾患(+1点)
  • 肺高血圧症(+1点)
  • 心疾患(+1点)
  • 腎疾患(+2点)

であり、合計10点満点(-1点から10点)で評価し、-1~1点が低リスク群、2~3点が中リスク群、4~10点が高リスク群に分類した。

自己抗体は、多変量解析では統計的な有意差は得られなかった。

 

診断時の15年全死亡率は、

  • 低リスク群(5%対7%、p=0.189)
  • 中リスク群(26.5%対25.5%、p=0.911)
  • 高リスク群(47.8%対59%、p=0.316)

であった(それぞれdelivation cohortとvalidation cohortの死亡率を提示)。

AUCは0.799(Delivation Cohort)対0.778(Validation Cohort)であった(p=0.530)。

 

 

<まとめ>

全身性強皮症の15年死亡率を予測するRESCLESCOREは、予後予測能として優れたスコアリング結果であった。

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