CYFRA21-1、特発性肺線維症の新たなバイオマーカーの可能性

CYFRA21-1が特発性肺線維症の重要なバイオマーカーである可能性が示唆されました。

Molyneaux PL, et al. CYFRA 21-1 Predicts Progression in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: A Prospective Longitudinal Analysis of the PROFILE Cohort. Am J Respir Crit Care Med 2022;205:1440–8.

一言解説

CYFRA21-1が特発性肺線維症の新たなバイオマーカーである可能性が示唆された。

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さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

特発性肺線維症(IPF)は、進行性で致死的な疾患であり、治療方針の決定に有効なバイオマーカーが不足している。

目的:Prospective Observation of Fibrosis in the Lung Clinical Endpoints(PROFILE)研究に登録されたIPF患者におけるCYFRA21-1の血清濃度と疾患進行および死亡率の関係を明らかにすること。

方法

CYFRA21-1は、手術時に得られたヒト肺のサンプルにおいて、免疫組織化学によって同定された。

CYFRA21-1の濃度は、PROFILE研究に登録されたIPFと診断された491人と100人の対照者からベースライン、1カ月、3カ月に採取した血清試料で、ELISAベースのアッセイを用いて測定された。

被験者は、最初の採血後、最低3年間追跡された。

結果

CYFRA21-1は、IPF肺組織のhyperplastic epitheliumに局在していた。

末梢血CYFRA21-1濃度は、discovery cohort(n = 132)(対照:0.96 ± 0.81 ng/ml vs IPF:2.34 ± 2.15 ng/ml、P < 0.0001) およびvalidation cohort(n = 359)(対照:2.21 ± 1.54 ng/ml vs IPF: 4.13 ± 2.77 ng/ml, P < 0.0001) において健康対照被験者よりもIPFの被験者で著しく高値であった。

ベースラインのCYFRA21-1濃度は、12カ月間の疾患進行リスクのある患者を区別することができ(C統計量 0.70;95%CI 0.61-0.79;P < 0.0001)、全死亡を予測した(CYFRA21-1の1ng/ml増加あたりHR 1.12、95%CI 1.06-1.19;P = 0.0001 )。

さらに、CYFRA21-1の3カ月間の濃度変化は、両コホートにおいて、12カ月生存率と全生存率を別々に予測した。

<まとめ>

上皮の損傷とターンオーバーのマーカーであるCYFRA21-1は、IPFのhyperplastic epitheliumに発現し、重要な予後および治療バイオマーカーとなる可能性がある。

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