リウマチのメトトレキサートは死亡率低下に寄与(SR&MA2022)

関節リウマチのキードラッグであるメトトレキサートへの注目が集まっています。間質性肺炎の患者でも死亡率が低下することが、中国からのシステマティックレビュー、メタアナリシスで報告されました。

Xu J, Xiao L, Zhu J, Qin Q, Fang Y, Zhang J-A. Methotrexate use reduces mortality risk in rheumatoid arthritis: A systematic review and meta-analysis of cohort studies. Semin Arthritis Rheum 2022;55:152031.

 

一言解説

リウマチの治療薬であるリウマトレックス(メソトレキセート)は死亡率低下に寄与し、さらに間質性肺炎患者でも死亡率を低下させる可能性がある。

 

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さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

関節リウマチ(RA)患者は健常人に比べて死亡率が高く、RA治療の基幹薬であるメトトレキサート(MTX)は患者の死亡率に影響を及ぼすと考えられている。しかし、MTXとRA患者の死亡率に関する系統的な解析は行われておらず、RAの長期予後に対するMTXの役割については未だ不明である。

 

方法

RA患者の死亡率に対するMTXの影響を明らかにするために、系統的レビューとメタ解析を行った。全死亡のハザード比(HR)をメタ解析でプールし、心血管疾患を伴うRAによる死亡率(RA-CVD)およびRA関連間質性肺疾患による死亡率(RA-ILD)もプールして解析した。

 

結果

最終的に15件の研究が含まれた。

全死亡率に関する15試験のデータのメタ分析では、MTXはRA患者の死亡率を有意に減少させ(HR = 0.59, 95%CI 0.50-0.71, P < 0.001)、MTXはRA-CVDによる死亡率の減少と独立して関連していた (HR = 0.72, 95%CI 0.53-0.97, P = 0.031 )ことが示された。

一方、MTXはRA-ILDの死亡率も有意に減少させた(HR = 0.44, 95%CI 0.20-0.95, P = 0.037)

 

 

<まとめ>

中国から報告されたシステマティックレビュー、メタアナリシスでは、MTXはRA患者の総死亡率を有意に減少させ、特にRA-CVDおよびRA-ILDによる死亡率を減少させた。

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