IPAFとは膠原病の分類基準は満たさないが、膠原病の匂いのする間質性肺炎を指しますが、日本からIPAFに関する重要な多施設共同前向き観察研究が報告されました。
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一言解説
IPAFを対象とした大規模な多施設共同前向き観察研究が報告され、特発性間質性肺炎における予後良好な病型分類であることが明らかとなった。
さらに詳しく解説(専門的な内容です)
背景
特発性間質性肺炎(IIP)の患者の中には、自己免疫の特徴を示す患者がいて、IPAF(Interstitial Pneumonia with autoimmune features)という研究概念が提唱された。しかし、過去の後方視的な研究では、その予後については相反する結果が報告されている。そこで本研究では、IIP患者におけるIPAFの臨床的意義について前向きに検討した。
方法
この全国規模の多施設共同研究は、連続したIIP患者を前向きに登録した。
診断時に、IPAF基準のほとんどの項目を含む症状・徴候と自己抗体を含むチェックリストを用いて結合組織疾患を示唆する63の特徴を系統的に評価し、患者をフォローアップした。
臨床的表現型はクラスター分析に含めた。
結果
登録されたIIP患者376名において、70名(18.6%)がIPAFの基準を満たした。
- IPAFは、特発性肺線維症(IPF)では非IPFよりも有意に低かった(それぞれ6.0% vs 24.3%)。
観察期間中央値35ヵ月の間に、IPAF患者は非IPAF患者よりも自己免疫疾患を発症する頻度が高く、IIPsの急性増悪の頻度は低かった。
IPAFは全患者および非IPF患者において独立した予後良好因子であった。
<まとめ>
日本からの多施設共同前向き観察研究の結果から、IIPではIPAFは予後良好な因子であることが明らかとなった。