ネーザルハイフローでのCO2低下

2022年3月にCOPDに対する「在宅ハイフローセラピー」が新たに保険収載され話題となっています。ネーザルハイフローに関してはこちらの記事もご覧ください

 

鼻腔から高流量の高濃度酸素を投与可能なネーザルハイフローですが、二酸化炭素はどの程度変化するのでしょうか。

Bräunlich J, Beyer D, Mai D, Hammerschmidt S, Seyfarth H-J, Wirtz H. Effects of nasal high flow on ventilation in volunteers, COPD and idiopathic pulmonary fibrosis patients. Respiration 2013;85:319–25.

 

一言解説

ネーザルハイフローにより血中の二酸化炭素濃度が低下する。

 

 

 

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

ネーザルハイフロー(NHF)、慢性呼吸不全の症状を改善することが示唆されている。

研究目的:NHFによる呼吸器系パラメーターの変化を評価すること

 

方法

特発性肺線維症(IPF)およびCOPD患者の呼吸周期中の圧力振幅と平均圧を測定した。

NHF呼吸の前後(8時間)に血液ガス分析のためにキャピラリー血液を採取した。

 

結果

NHFでは通常呼吸と比較して、健常者、IPF、COPDで圧力振幅と平均圧が上昇した。

流量20L/minの設定で、キャピラリーCO2値はCOPDでは-0.69±0.2kPaIPFでは-0.47±0.34kPaの変化を認めた(以下)。

(図. NHF20L/minでのCOPDとIPFの二酸化炭素値の変化。文献より引用掲載)

 

 

<まとめ>

NHFを用いることでCOPDとIPFでともに、圧力振幅と平均圧の上昇を認め、キャピラリー血のCO2低下をもたらした。

 

 

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