2022年3月にCOPDに対する「在宅ハイフローセラピー」が新たに保険収載され話題となっています。ネーザルハイフローに関してはこちらの記事もご覧ください
鼻腔から高流量の高濃度酸素を投与可能なネーザルハイフローですが、二酸化炭素はどの程度変化するのでしょうか。
一言解説
ネーザルハイフローにより血中の二酸化炭素濃度が低下する。
さらに詳しく解説(専門的な内容です)
背景
ネーザルハイフロー(NHF)、慢性呼吸不全の症状を改善することが示唆されている。
研究目的:NHFによる呼吸器系パラメーターの変化を評価すること
方法
特発性肺線維症(IPF)およびCOPD患者の呼吸周期中の圧力振幅と平均圧を測定した。
NHF呼吸の前後(8時間)に血液ガス分析のためにキャピラリー血液を採取した。
結果
NHFでは通常呼吸と比較して、健常者、IPF、COPDで圧力振幅と平均圧が上昇した。
流量20L/minの設定で、キャピラリーCO2値はCOPDでは-0.69±0.2kPa、IPFでは-0.47±0.34kPaの変化を認めた(以下)。
<まとめ>
NHFを用いることでCOPDとIPFでともに、圧力振幅と平均圧の上昇を認め、キャピラリー血のCO2低下をもたらした。