2022年3月にCOPDに対する「在宅ハイフローセラピー」が新たに保険収載され話題となっています。ネーザルハイフローに関してはこちらの記事もご覧ください
鼻腔から高流量の高濃度酸素を投与可能なネーザルハイフローですが、流量を調節することで一定の陽圧が発生することがわかっていますが、実際にどの程度の圧がかかるのでしょうか。
一言解説
鼻腔から高流量の高濃度酸素を投与可能なネーザルハイフローは、通常の酸素投与に比較して、約3cmH2Oの陽圧をかけることができる。
さらに詳しく解説(専門的な内容です)
目的
心臓・血管系の集中治療室(ICU)において、Optiflowシステム(Fisher and Paykel Healthcare Ltd, Auckland, New Zealand)によりネーザルハイフロー(NHF)を受けている参加者に、気道陽圧レベルが発生したかどうかを判定すること。
方法
心臓手術後の成人患者15名を対象に、35リットル/分の流速でNHFと標準的なフェイスマスク療法を行い、鼻咽頭気道圧を測定した。
測定は開口位と閉口位で繰り返した。
平均気道圧は、1分間の各呼吸の吸気ピーク圧を平均することにより、各呼吸の圧力プロファイル全体が計算に含まれるようにして決定した。
結果
NHFは35L/minの流量で、平均鼻咽頭気道圧は
- 閉口時:2.7 (SD 1.04) cmH2O
- 開口時:1.2 (SD 0.76) cmH2O
であった(p=0.001)。
<まとめ>
ネーザルハイフローは35ml/minの流量で、閉口時は2.7 cmH2O、開口時は1.2 cmH2Oの陽圧がかかる。