単球数はIPFの有用なバイオマーカー

特発性肺線維症(IPF)において末梢血の単球数が有用なバイオマーカーであることが報告されました。

Kreuter M, et al. Monocyte Count as a Prognostic Biomarker in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Am J Respir Crit Care Med 2021;204:74–81.

 

 

一言解説

特発性肺線維症では、血液検査で単球数が高いほど、今後の進行や入院、死亡のリスクが上昇する。

 

 

さらに詳しく解説(専門的な内容です)

背景

特発性肺線維症(IPF)の予後を予測する簡便で費用対効果の高いバイオマーカーを探すことは急務であり、その可能性を示しているのが単球数です。

研究目的:ピルフェニドンおよびIFNγ-1b試験のプールデータを用いて、IPF患者における単球数と予後の関連を検討した。

 

方法

この後方視的プール解析は、4つの第III相ランダム化プラセボ対照試験の患者(実薬群およびプラセボ群)を対象とした。

  • ASCEND試験(NCT01366209)
  • CAPACITY試験(NCT00287729およびNCT00287716)
  • INSPIRE試験(NCT00075998)

アウトカムは、1年間のIPFの進行(%FVCの絶対値10%以上低下、6分間歩行距離50m以上低下、または死亡)、全入院、全死亡などを設定した。

 

結果

本解析では、単球数で層別化した2,067人の患者を対象とした

ベースライン時の単球数

  • <0.60×10の9乗個/L未満[n = 1,609]
  • 0.60~0.95×10の9乗個/L[n = 408]
  • 0.95×10の9乗個/L以上[n = 50]

調整後の解析では、単球数が 0.60~0.95 × 10の9乗 個/Lまたは 0.95 × 10の9乗 個/L以上の患者と0.60 × 10の9乗 個/L未満の患者では、

  • 1年間のIPF進行(それぞれ P = 0.016、P = 0.002)
  • 全入院(それぞれ P = 0.030、P = 0.003)
  • 全死亡(それぞれ P = 0.005、P < 0.001)

が高い割合で発生した。

 

ベースラインからの単球数の変化は、1年間のどの転帰とも関連せず、試験治療による影響もないようであった。

 

 

<まとめ>

IPFで単球数の高値は、IPFの進行、入院、および死亡のリスクの増加と関連していた。

 

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