ステロイドの投与方法について、隔日投与(2日に1回内服する)の治療法がよいのではないかとする日本からの報告です。
背景
関節リウマチ(RA)の治療に用いられるコルチコステロイド(CS)は、有害事象のリスクを伴う。
研究目的:RAに対するCSの隔日投与(QOD)の安全性と有効性を検討した。
方法
2005年から2014年の間にRAに対してCSの経口投与を開始した全患者(18歳以上)を対象に後方視的に解析した。
患者を日替わり(QD)CS療法群とQOD CS療法群に分け、治療開始1年以内のCS関連の主要な有害事象(感染症、糖尿病、高血圧、心血管イベント、脆弱性骨折)の発生率を調査した。
また、1年後にCS治療が終了した患者数、および1ヵ月後のCRP値の平均減少についても調査した。
結果
合計138名の患者を分析した(QD群68名、QOD群70名)。
1日の最大CS投与量は両群間で有意差はなかったが、年間の累積投与量はQOD群で有意に少なかった(P < 0.01)。
感染率はQOD群(24.3%)がQD群(50.0%)より有意に低かったが、その他の有害事象の発生率は両群間で同様であった。
1年後のCSフリー率はQOD群(58.6%)がQD群(26.5%)より有意に高かった。
CS治療1ヶ月間の平均CRP減少量は、群間で有意差はなかった。
<まとめ>
関節リウマチに対するステロイドの投与を隔日にする治療法は、毎日投与する治療法と比較して、感染率が低く、ステロイド治療を終了できる患者の割合が多かった。