急性増悪:間質性肺炎の重要な合併症

間質性肺炎の重要な合併症の一つに急性増悪があります。

急性増悪は、1993年に特発性肺線維症(IPF)の合併症として日本から報告されたのがはじめですが、その後様々な間質性肺炎でも発症することがわかってきました。

急性増悪は、間質性肺炎の経過中に、急激な呼吸状態の悪化を示し、短期間で死亡に至る可能性がある病態です。

昨日までは普段通りに過ごしていたのに、朝起きると咳や階段昇降時に息切れを自覚し、数日から数週間(1か月以内)の経過でその症状が悪化します。

はじめは咳などの風邪のような症状から始まることも多く、気づきにくいですが、徐々に咳や労作時の息切れが悪化していきます。

急性増悪という合併症を知っていても、なかなかはじめから症状だけで鑑別することは困難です。病院を受診して、胸部レントゲン写真を撮影することが大切です。

最近では原因が不明のものだけではなく、肺炎や気胸など様々なものが誘因となって急性増悪を発症することも明らかとなってきました。

この急性増悪は致死率が高く間質性肺炎の合併症の中でも特に重要な合併症です。今後、急性増悪について少しずつまとめていきますので、まずはぜひ名前だけでも覚えておいてください。

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