FVC低下が死亡と関連する重要な所見

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過去の治験のデータから、肺活量が低下することが死亡を予測する重要な所見であることが示唆されました。

Brown KK, Inoue Y, Flaherty KR, Martinez FJ, Cottin V, Bonella F, et al. Predictors of mortality in subjects with progressive fibrosing interstitial lung diseases. Respirology 2022;27:294–300.

 

 

背景と目的

進行性線維性間質性肺疾患の患者の死亡率には、ベースライン時または経時的に測定される人口統計学的変数と臨床変数が関連していた。

特発性肺線維症(IPF)患者を対象としたINPULSIS試験および他の進行性線維化性ILD患者を対象としたINBUILD試験のデータを用いて、人口動態/臨床的変数と死亡率の関係を評価した。

 

★INPULSIS試験、INBUILD試験に関してはこちらの記事をご覧ください

 

方法

INPULSIS試験のプールデータおよびINBUILD試験の個別データを用いて、ベースライン変数、時間変動する共変量と52週間にわたる死亡までの時間との関係をCox比例ハザードモデルにより解析した。

 

結果

52週間の間に、INPULSIS試験およびINBUILD試験では、それぞれ68/1061人(6.4%)および33/663人(5.0%)が死亡した。

 

INPULSIS試験では、12ヵ月以内に努力肺活量(FVC)が10%以上低下(相対値)した場合(ハザード比[HR]3.77)および年齢(1歳上昇につきHR 1.03)は死亡リスクの上昇と関連したが、ベースラインの%FVC(1単位上昇につきHR 0.97)および肺拡散能力(%DLCO)(1単位上昇につきHR 0.77)はリスクの低下と関連していた。

 

INBUILD試験では、12ヶ月以内のFVCが10%以上低下(相対値)(HR 2.60)とHRCTでのUIP様の線維化所見(HR 2.98)が死亡リスクの上昇と関連し、ベースラインの%DLCO(1単位上昇あたりHR 0.95)はリスクの低下と関連した。

 

 

<まとめ>

過去の治験(INPULSIS試験、INBUILD試験)のデータでは、12か月間でのFVCの低下が重要な死亡予測因子であることが示唆された。

 

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