ニンテダニブの長期効果(INPULSIS-ON試験)

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特発性肺線維症(IPF)患者に対するニンテダニブ(商品名:オフェブ)の試験であるINPULSIS試験の延長試験(INPULSIS-ON試験)の結果が報告されています。

Song JW, et al. Long-term treatment with nintedanib in Asian patients with idiopathic pulmonary fibrosis: Results from INPULSIS®-ON. Respirology 2020;25:410–6.

 

INPULSIS試験に関しては以下の記事もご覧ください。

 

背景と目的

特発性肺線維症(IPF)患者におけるニンテダニブの有効性と安全性が、プラセボ対照のINPULSIS試験で検討されました。INPULSIS試験を完了したすべての患者は、延長試験である INPULSIS-ON試験でニンテダニブの非盲検投与を受けることができた。

 

方法

INPULSIS-ON試験で治療を受けたアジア人種の患者を対象に、ニンテダニブの長期有効性と安全性を評価した。

 

結果

INPULSIS-ONで治療を受けたアジア人患者は合計215名を対象。

  • 121名はINPULSIS-ONでニンテダニブを継続し、94名はINPULSIS試験でプラセボの投与を受けた後にINPULSIS-ONでニンテダニブを開始した。
  • INPULSIS-ON のベースライン時のアジア人患者の平均年齢(SD)は 66.3 (7.5) 歳、男性が 80.5% で、平均(SD)の FVC(努力肺活量)は 78.9 (19.3) %であった。
  • INPULSIS試験およびINPULSIS-ON試験におけるニンテダニブの投与期間の中央値は42.2ヶ月、最大投与期間は64.1ヶ月であった。

 

INPULSIS試験では、アジア人患者における52週間のFVCの年間減少率(SE)は、ニンテダニブ群で-124(20)mL/年、プラセボ群で-218(24)mL/年であった。

INPULSIS-ON試験では、アジア人患者における192週間のFVC減少率(SE)は、-127(11)mL/年でした。

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(図. A:INPULSIS試験の52週時点のニンテダニブとプラセボのFVC年間減少量。B:INPULSIS-ON試験の192週時点のニンテダニブ継続群と新規開始群とのFVC年間減少量文献より引用掲載)

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(図. INPULSIS-ON試験のFVCの推移。文献より引用掲載)

 

下痢は、INPULSIS-ON試験においてニンテダニブを継続投与した患者と投与開始した患者で、それぞれ100患者曝露年当たり58.8件と82.5件のイベント発生率が報告された。

 

 

<まとめ>

アジア人IPF患者におけるニンテダニブの疾患進行抑制効果は、約4年にわたって持続する。ニンテダニブの長期投与でも安全性と忍容性は許容範囲内である。

 

 

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