当院では週に1回、3時間ほどかけて全員で病棟回診を行っています。
研修医の先生にとっては非常に多くのことを学ぶ、まさにベッドサイド診療ですが、その時に行われる質疑応答が最大の山場です。
ぜひ学んでおいてほしい知識ですので、過去問を取り上げてみました。
(数値はフィクションです)
問題1
COPD増悪で来院した70歳男性。呼吸数28回。動脈血液ガス所見は以下:
pH7.28、PaCO2 70 mmHg、PaO2 60 mmHg、HCO3- 28mEq/L
この結果から、この患者の普段の二酸化炭素の値はどのくらいか?
↓
↓
↓
答え
急性呼吸性アシドーシスの状態。
急性にPaCO2が10 mmHg上昇するとpHは0.08低下する。
pHは7.40 – 7.28 = 0.12低下しているため、PaCO2は15 mmHg上昇。
そのため70 – 15 = 55 mmHgがおおよその普段のPaCO2となります。
計算式としては
70 -(7.4 – 7.28)÷ 0.008 = 55
です。