アメリカの多施設コホート研究から、胸部CT検査で認める蜂巣肺の有病率や死亡との関連が報告されています。
胸部CT上の蜂巣肺は様々な間質性肺炎で認め、蜂巣肺を有する間質性肺炎は特発性肺線維症と同様に高い死亡率を有することが分かりました。
さらに詳しく解説(専門的な内容です)
背景
胸部CT検査で蜂巣肺は様々なタイプの間質性肺炎で報告されているが、その有病率と死亡率との関連はまだわかっていない。
研究目的:多施設コホートにおいて、胸部CTで蜂巣肺の有病率および予後を明らかにし、多様な間質性肺炎において蜂巣肺と死亡との関連を検討する。
方法
アメリカの5つの病院で間質性肺炎の診断時に胸部CT検査を行った成人患者を対象とした。蜂巣肺の有無で層別化した。生命予後は医療記録と社会保障死亡指数から判断した。
結果
対象者は1,330人(平均年齢66.8歳、男性50%)、追跡期間は4,831人年であった。
胸部CTで蜂巣肺の有病率は、慢性過敏性肺炎で42.0%、膠原病に伴う間質性肺炎で41.9%、特発性肺線維症で37.6%、分類不能型間質性肺炎またはその他の間質性肺炎で28.6%であった。
胸部CT上の蜂巣肺は、特発性肺線維症以外の間質性肺炎の死亡率上昇と関連していた。しかし、特発性肺線維症では蜂巣肺の有無で死亡率は同程度であった。
膠原病に伴う間質性肺炎、分類不能型間質性肺炎では、胸部CT上の蜂巣肺は、施設、性別、年齢、努力肺活量、肺拡散能力、免疫抑制療法の使用で調整した後でも、死亡率の上昇と関連していた。