全身性強皮症に伴う間質性肺炎で、1年後の疾患進行を予測するSPARモデルが提唱されています。
目的
全身性強皮症に伴う間質性肺炎の進行を予測する臨床的特徴を明らかにし、予測モデルを確立すること。
方法
2つの独立した前向きコホートからの全身性強皮症がこの観察研究に含まれた。
- すべての患者は2013年米国リウマチ学会/欧州リウマチ連盟の基準を満たした。
- ベースラインで高解像度コンピュータ断層撮影(HRCT)により診断された軽度のILDを有し、ベースラインと1年以上のフォローアップ肺機能検査が可能で、肺高血圧や気流障害を併発していない。
-
多変量ロジスティック回帰の候補となる因子は、臨床的重要性に基づいて専門家の意見で選択した
-
delivation cohortで間質性肺炎の進行予測モデルを構築し、validation cohortで検証を行った。
間質性肺炎の進行の定義:1年後のフォローアップ時に努力肺活量(FVC)の低下≥15%(相対値)、またはFVCの低下≥10%と肺拡散能力(DLco)の低下≥15%(相対値)。
結果
全身性強皮症に伴う間質性肺炎のうち、25/98人名(delivation cohort 、26%)および25/117名(validation cohort、21%)が間質性肺炎の進行を認めた。
6分間歩行試験後のSpO2低下(SpO2≤94%)と関節炎が、両コホートで間質性肺炎の進行の独立した予測因子として同定された。
両予測因子(SPO2および関節炎)を組み合わせたSPARモデルは、両方満たした患者は12名であり間質性肺炎の進行は11名(92%)に認めた。validation cohortでも86%で認めた。
<まとめ>
SPARモデルは、6分間歩行試験後のSpO2低下と過去・現在の関節炎の2項目からなり、両方満たした場合には約90%で次の一年での間質性肺炎の進行を認める。
リンク