アレルギー感作と喘息のリスクの関係

f:id:fibrosis:20220301222255p:plain

今日は間質性肺炎ではなく、アレルギー感作と喘息、鼻炎の話です。

 

スウェーデンで行われた大規模な観察研究で、アレルギー感作が成人でもアレルギー性疾患の危険因子であることを報告しています。

Rönmark EP, et al. Different risk factor patterns for adult asthma, rhinitis and eczema: results from West Sweden Asthma Study. Clin Transl Allergy 2016;6:28.

 

背景

成人のアトピー性疾患の危険因子パターンやアレルギー感作との関連は、まだ十分に解明されていない。これらの疾患の危険因子パターンを同一資料で比較した成人における研究は非常に少ない。

本研究の目的は、無作為に抽出した成人集団において、喘息、鼻炎、湿疹の危険因子パターンを比較すること。

 

方法

西スウェーデンの16歳から75歳の無作為抽出された30,000人にアトピー性疾患に関する質問票調査を郵送で行い、62%が参加した。

2000人のサブグループが選ばれ、一般的な空気中アレルゲンに対する特異的血清IgEの採血を含む臨床検査が行われ、1172人が受診した。

 

結果

喘息の有病率は11.8%、鼻炎は42.8%、湿疹は13.5%であった。2.3%が3つの症状をすべて持ち、13.9%が少なくとも2つの症状を持っていた。

f:id:fibrosis:20220301221658p:plain

(図. 喘息、鼻炎、失神の有病率。文献より引用掲載)

 

3つの症状すべてに共通するリスクファクターは確認されなかった。

 

アレルギー感作は喘息(オッズ比:4.1)鼻炎(オッズ比:5.1)の強い危険因子であった。アレルギー感作は湿疹では危険因子ではなかった。

その他の危険因子

  • 喘息:女性、肥満、粉塵などの職業曝露
  • 鼻炎:肥満
  • 湿疹:女性、粉塵などの職業曝露

 

結論

アレルギー感作は、成人でも喘息、鼻炎の強い危険因子である。

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へランキングに参加しています、よければクリックお願いします

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!