関節リウマチに伴う間質性肺炎のレビュー2021:②PF-ILDと死亡原因

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今回、関節リウマチに伴う間質性肺炎の最新のレビューが日本から報告されました。前回の続きです。

Yamakawa H, et al. Decision-Making Strategy for the Treatment of Rheumatoid Arthritis-Associated Interstitial Lung Disease (RA-ILD). J Clin Med Res 2021;10. 

PF-ILD

関節リウマチに伴う間質性肺炎では、初めは画像所見が乏しくても、徐々に線維化が進行する一群が存在します。これらは、現在ではPF-ILDとして知られ、まさに間質性肺炎のトピックスの一つです。

例えば、以下の画像をご覧ください。

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(図. 関節リウマチに伴う間質性肺炎(RA-ILD)の画像の経過。文献より引用掲載)
いずれも関節リウマチに伴う間質性肺炎の画像ですが、

上段は当初はprobable UIPパターンであったのが、2年半の経過で線維化が進行し(上段真ん中)、最終的には3年5カ月の経過で蜂巣肺を認めるほどに進行しています(上段右図)。

下段は当初はNSIPパターンであったのが、2年4か月の経過で線維化が進行し(下段真ん中)、最終的には3年4カ月の経過で蜂巣肺を認めるほどに進行しています(上段右図)。

死亡原因

また、関節リウマチに伴う間質性肺炎の死亡原因についても、過去の報告を元にまとめられています。

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(図. 下段が過去の報告ごとの関節リウマチに伴う間質性肺炎の死亡原因。文献より引用掲載)
関節リウマチに伴う間質性肺炎(下段)では、急性増悪(AE; acute exacerbation)や間質性肺炎の慢性的な悪化(chronic progression)による死亡が多くを占めることがわかります。

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