血中の好酸球数の正常値はどの程度なのか、オーストリアからの研究結果の報告です。
背景
血中好酸球数への関心が高まっているが、一般人口における好酸球数や交絡因子に関してはわかっていないことが多い。
研究目的:好酸球高値(>75%)と関連する因子を特定し、「健康な」部分集団における血中好酸球数を推定すること
方法
オーストリアの一般人口から募集した11042名の血中好酸球数を測定した。
好酸球高値(>75%)に関連する因子を特定し、これら因子を持つ被験者を除外して「健康な」部分集団(3641名)の血中好酸球を測定した。
結果
全体の血中好酸球数の幅:0~2020 cell/µL
好酸球高値(>75%)と関連する因子
- 年齢≦18歳(OR 2.41)
- 喘息(OR 2.05)
- 現在の喫煙(OR 1.72)
- 皮膚プリックテスト陽性(OR 1.64)
- COPD(OR 1.56)
- メタボリックシンドローム(OR 1.41)
- 男性(OR 1.36)
- 肥満(OR 1.16)
次にこれら因子をもつ対象を除外したところ、成人の血中好酸球数の中央値は男性で120cell/µL(5-95%が30-330 cell/µL)、女性で100cell/µL(30-310 cell/µL)であった。
<まとめ>
オーストリアで行われた研究により、健常人の血中好酸球数が明らかとなり、その値はおよそ100 cell/µL程度であった。