アザチオプリンの副作用、NUDT15遺伝子多型解析とは?

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膠原病や血管炎の治療では、抗炎症治療としてステロイドや免疫抑制剤を使用することがありますが、その一つにアザチオプリン(AZA: Azathioprine、商品名:イムラン、アザニン)があります。

  • アザチオプリンはDNA合成阻害薬といわれています。体内で6-メルカプトプリンに代謝され、DNA合成酵素であるIMPデヒドロゲナーゼ(IMPDH)を阻害することで、効果を発現します。

 

このアザチオプリンの副作用の発現に関わるNUDT15遺伝子多型解析が保険収載(2019年)されています。

  • 診療報酬:遺伝子関連・染色体検査判断料100点

 

NUDT15はアザチオプリンの最終代謝産物を代謝する酵素ですが、このNUDT15の機能を低下するcodon139の遺伝子多型がわかっています。この遺伝子多型によって、NUDT15の機能が低下し、アザチオプリンの薬効が過剰となり、副作用が強く発現するといわれています。

 

日本炎症性腸疾患学会のホームページに大変わかりやすい表が提示されていますので引用掲載します。

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特にシステインホモ(Cys/Cys)の場合には、著しくNUDT15の機能が低下し、AZA内服早期に重篤な副作用(白血球減少や脱毛など)が起こりやすいといわれていますので、注意が必要です。

 

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