KL-6と強皮症に伴う間質性肺炎の進行予測

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強皮症に伴う間質性肺炎とKL-6の関係は極めて重要な臨床的な課題です。

Salazar GA, Kuwana M, et al. KL-6 But Not CCL-18 Is a Predictor of Early Progression in Systemic Sclerosis-related Interstitial Lung Disease. J Rheumatol 2018;45:1153–8.

 

背景

KL-6とCCL-18は、全身性硬化症(SSc)に伴う間質性肺炎(SSc-ILD)における有望なバイオマーカーである。

研究の目的:発症早期のSSc-ILD患者を対象に、追跡調査開始後1年以内の努力肺活量(%FVC)の低下が、KL-6とCCL-18を用いて予測可能かを明らかとすること。

 

方法

Genetics versus Environment in Scleroderma Outcome Study(GENISOS)コホートに登録された早期SSc-ILD患者を対象とした。

  • 早期:レイノー現象以外の症状出現から5年以内の症例
  • KL-6高値:KL-6>1273 U/ml
  • CCL-18高値:CCL-18>140 ng/ml

ベースラインとフォロー時(12~18カ月後)の%FVCの年間変化率を用いて、間質性肺炎の進行を評価した。

 

結果

平均罹病期間2.3年の早期SSc-ILD患者82例を調査した。

KL-6高値群は低値群より%FVCの年間低下率が高かったが、CCL-18では両群に差は認めなかった。

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(図. 縦軸が%FVCの年間変化率。上がKL-6、下がCCL-18のそれぞれ高値群と低値群の比較。文献より引用掲載)

 

多変量解析を用いた結果では、性別、病型(限局皮膚硬化型かびまん皮膚硬化型)、抗Scl-70抗体で調節しても、KL-6高値は%FVC低下の独立した予測因子であった。

CCL-18は%FVCの変化と関連を認めなかった。

 

 

<まとめ>

発症早期のSSc-ILDにおいて、KL-6高値(>1273U/ml)は早期進行の予測因子である可能性がある。

 

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