重症COVID-19後の線維化を予測しうる指標

f:id:fibrosis:20220103153200p:plain

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染後には長期的な肺の線維化が問題となる場合があります。COVID-19後の長期的な肺の線維化のリスクを調べた研究が中国から報告されています。

Huang W, et al. The potential indicators for pulmonary fibrosis in survivors of severe COVID-19. J Infect 2021;82:e5–7.

 

対象

対象は生存した重症のCOVID-19の81例

入院期間の中央値は26日

フォローのCTまでの期間中央値は退院から58日(IQR: 25-46日)

 

結果

肺の線維化を認めた症例は42例52%

線維化をきたした症例は、4週間以内に

  • 好中球数の上昇
  • 好中球/リンパ球比率の上昇
  • CRP値の上昇
  • LDH値の上昇

を認める傾向にありました。

f:id:fibrosis:20220103144156p:plain

(図. 線維化あり(赤線)となし(青線)の各パラメーターの推移。左から好中球数、リンパ球数、好中球/リンパ球比率、好酸球数、CRP値、LDH値。文献より引用掲載)

 

さらに、線維化をきたした症例は、マスク酸素投与、人工呼吸器管理、ICU入室などのより集学的な治療を要する症例も多い傾向にあったようです。

f:id:fibrosis:20220103144753p:plain

(図. ***p<0.001。NIMV: Noninvasive mechanical ventilation(非侵襲的機械換気)。文献より引用掲載)

 

<まとめ>

COVID-19後の2か月で線維化は約半数に認め、より集学的な治療を要した群に多かった。感染後に好中球/リンパ球比率の上昇、CRPやLDH上昇のある症例は線維化をきたす可能性があり、注意する必要がある。

 

ブログランキング・にほんブログ村へランキングに参加しています、よければクリックお願いします

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!