肥満に伴う体内の反応が肺の生理機能に制限を及ぼす可能性

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肥満がどのような経路で肺の生理機能にネガティブに働くのかを調べた研究です。

McNeill JN, et al. Association of obesity-related inflammatory pathways with lung function and exercise capacity. Respir Med 2021;183:106434.

 

背景

肥満は肺機能および運動能力に様々な影響を及ぼすが、肥満に関連する炎症の経路が肺機能の変化にどのように寄与するかはわかっていない。

研究課題:肥満関連炎症経路と肺機能、運動能力、および運動耐容能低下に寄与する肺の特異的因子との関連を検討する

 

方法

2006年12月~2017年6月にMassachusetts General Hospitalで侵襲的血行動態モニタリングによる心肺運動負荷試験(CPET)を受けた患者695例を検討した。

アディポネクチン、レプチン、レジスチン、IL-6、CRP、インスリン抵抗性(HOMA-IR)と肺機能および運動パラメーターの関連性を多変量線形回帰を用いて検討した。

 

結果

肥満に関連する炎症経路は、肺機能の悪化と関連していた。

  • 年齢、性別、過去の心筋梗塞、心不全、BMIで調節した結果

CRP、IL-6、HOMA-IRの高値は、%FEV1および%FVC低値と関連していた。

さらに、肥満関連の炎症経路は、肺血管拡張性の悪化(アディポネクチン、IL-6、CRP、すべてでP < 0.05)、肺動脈コンプライアンスの低下(IL-6、CRP、いずれもP ≤ 0.01)と関連していた。

 

<まとめ>

インスリン抵抗性を含む肥満に伴う炎症経路が、BMIとは無関係に、肺機能の悪化や肺の生理機能や肺血管機能と関連している可能性がある。

 

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