間質性肺炎とBMI、体重減少の関係を調べた研究がCHEST誌に報告されました。
目的
間質性肺炎の死亡率リスクとして、BMI(body mass index)と体重の変化に着目して、予後への意義を明らかにする。
方法
多施設共同後方視的観察研究
対象:CAnadian REgistry for Pulmonary Fibrosis(CARE-PF、derivation)とカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF、validation)のILDレジストリーの線維性ILD患者。
BMIは
- 低体重(BMI <18.5kg/m2)
- 標準体重(BMI 18.5-24.9kg/m2)
- 過体重(BMI 25-29.9kg/m2)
- 肥満(BMI >30kg/m2)
に分類した。
結果
それぞれのレジストリーから約1800例ずつの間質性肺炎患者が含まれた。
ILD-GAPで補正した多変量解析では、標準体重に比べて、低体重で死亡率が高く(HR 3.19、P<0.001)、過体重(HR 0.52、P<0.001) または肥満(HR 0.55、P<0.001)で最も死亡率が低い結果であった。
1年以内に体重が2kg以上減少した患者は、ILD-GAP IndexとベースラインのBMIカテゴリーで調整すると、その後の1年間の死亡リスクが上昇し(HR 1.41、P=0.04)、体重減少が大きい患者ほどリスクがプラトーとなった。
Validationコホートでも一貫した結果が観察された。
<まとめ>
間質性肺炎では、低体重は予後不良な因子であり、体重減少が予後指標となる可能性がある。