間質性肺炎では低体重ほど予後不良

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間質性肺炎とBMI、体重減少の関係を調べた研究がCHEST誌に報告されました。

Comes A, et al. Association of Body Mass Index and Change in Weight with Mortality in Patients with Fibrotic Interstitial Lung Disease. Chest 2021.

 

目的

間質性肺炎の死亡率リスクとして、BMI(body mass index)と体重の変化に着目して、予後への意義を明らかにする。

方法

多施設共同後方視的観察研究

対象:CAnadian REgistry for Pulmonary Fibrosis(CARE-PF、derivation)とカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF、validation)のILDレジストリーの線維性ILD患者。

BMIは

  • 低体重(BMI <18.5kg/m2)
  • 標準体重(BMI 18.5-24.9kg/m2)
  • 過体重(BMI 25-29.9kg/m2)
  • 肥満(BMI >30kg/m2)

に分類した。

結果

それぞれのレジストリーから約1800例ずつの間質性肺炎患者が含まれた。

ILD-GAPで補正した多変量解析では、標準体重に比べて、低体重で死亡率が高く(HR 3.19、P<0.001)過体重(HR 0.52、P<0.001) または肥満(HR 0.55、P<0.001)で最も死亡率が低い結果であった。

1年以内に体重が2kg以上減少した患者は、ILD-GAP IndexとベースラインのBMIカテゴリーで調整すると、その後の1年間の死亡リスクが上昇し(HR 1.41、P=0.04)、体重減少が大きい患者ほどリスクがプラトーとなった。

Validationコホートでも一貫した結果が観察された。

 

<まとめ>

間質性肺炎では、低体重は予後不良な因子であり、体重減少が予後指標となる可能性がある。

 

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