経過中にANCAが陽性となる頻度はどの程度か

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ANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody)は抗好中球細胞質抗体と呼ばれる自己抗体の総称で、これと関連の深い血管炎をANCA関連血管炎と総称しています。

間質性肺炎において、経過でANCAがどの程度陽性となるかを検討した研究は報告されました。

Hozumi H, et al. Clinical significance of myeloperoxidase-anti-neutrophil cytoplasmic antibody in idiopathic interstitial pneumonias. PLoS One 2018;13:e0199659.

305例の特発性間質性肺炎(IIP: idiopathic interstitial pneumonia)のうち、診断時にMPO-ANCAが陽性であったのは26例(8.5%)でした。

  • 観察期間中央値:3.9年
  • 初診時にMPO-ANCA陽性例:16例(5.2%
  • 経過中に289例中10例(3.5%)がMPO-ANCA陽性に変化

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(図. 背景図。文献より引用掲載)

MPO-ANCA陽性例でMPA(顕微鏡的多発血管炎)を発症した症例は5年で累計24.3%であった。

  • MPO-ANCA陰性例ではMPAの発症はなし

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(図. 経年的なMPAの発症率。文献より引用掲載)

<まとめ>

特発性間質性肺炎では、初診時MPO-ANCA陰性例のうち、観察期間3.9年の間に3.5%がMPO-ANCA陽性となった。MPO-ANCA陽性例では、5年累計でMPA発症率は24%であった。

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