トシリズマブ長期投与の有害事象(focusSSced試験の長期観察データ)

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全身性強皮症(SScに対するトシリズマブ(商品名:アクテムラ)の効果を示した重要な臨床試験であるfocuSSced試験が報告されましたが、その後の96週まで観察した長期データが報告されました。

昨日は主にトシリズマブの効果について掲載しましたが、本日は有害事象を中心に昨日の続きを掲載させていただきます。

Khanna D, et al. Long-Term Safety and Efficacy of Tocilizumab in Early Systemic Sclerosis-Interstitial Lung Disease: Open Label Extension of a Phase 3 Randomized Controlled Trial. Am J Respir Crit Care Med 2021.

 

副作用

全身性強皮症に伴う間質性肺疾患でトシリズマブ継続群の60名のうち、48から96週に重篤な有害事象を1つ以上起こした患者の割合は8.3%(60名中5名)であった。

 

副作用:感染症

全身性強皮症に伴う間質性肺疾患でトシリズマブ継続群の60名のうち、48から96週に1回以上何らかの感染症を起こした患者の割合は41.7%(60名中25名)であった。

 

重症の感染症を起こした患者はいなかった(0%)。

 

プラセボ→トシリズマブ群の54名のうち、同様に48から96週に1回以上何らかの感染症を起こした患者の割合は55.6%(54名中30名)であり、特にトシリズマブ継続群で多いことはなかった。

 

 

<まとめ>

SSc-ILDに対するトシリズマブは96週まで使用しても、48-96週で感染症は約42%で発症するが、重篤な感染症は認めなかった。

 

膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針〈2020〉

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