ANCA関連血管炎の画像、病理の特徴は?(特発性肺線維症との比較)

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間質性肺炎の検査ではANCAを測定しますが、その臨床的な意義についてはまだわかっていないことは多いです。このANCA陽性の間質性肺炎について、2016年に日本の単施設からの画像所見、病理所見の特徴が報告されました。

Hosoda et al. Clinical features of usual interstitial pneumonia with anti-neutrophil cytoplasmic antibody in comparison with idiopathic pulmonary fibrosis. Respirology 2016;21:920–6.

 

対象

ANCA/UIP:ANCA陽性の間質性肺炎(病理UIPパターン)の12例とIPF/UIP:特発性肺線維症(病理UIPパターン)の108例を比較

  • 病理UIPパターンは外科的肺生検で診断
  • IPF;特発性肺線維症、UIP;通常型間質性肺炎

 

画像所見

ANCA/UIPはIPF/UIPに比較して、嚢胞周囲の濃度上昇が特徴

  • 嚢胞周囲の濃度上昇:ANCA/UIPの42% vs IPF/UIPの7%

 

病理所見

ANCA/UIPはIPF/UIPに比較して、間質の炎症所見、形質細胞浸潤、肺中心を伴うリンパ濾胞細気管支炎が多いことが特徴

以下にGrade0(なし)、Grade1(mild)、Grade2(moderate)、Grade3(severe)のうち、Grade2以上の割合を提示

  • 間質の炎症所見:ANCA/UIPの100% vs IPF/UIPの7%
  • 形質細胞浸潤:ANCA/UIPの92% vs IPF/UIPの5%
  • 肺中心を伴うリンパ濾胞:ANCA/UIPの42% vs IPF/UIPの0%
  • 細気管支炎:ANCA/UIPの58% vs IPF/UIPの1%

 

 

<まとめ>

ANCA関連間質性肺炎は、IPFと比較して、画像では嚢胞周囲の濃度上昇が特徴であり、病理では炎症細胞浸潤やリンパ濾胞が目立つ傾向にある。

 

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(最終アップデート:2022年1月10日)

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