ANCA関連血管炎には、地域性や人種差があることが知られています。
2015年に報告された日本人における多施設コホート研究から、ANCA関連血管炎の肺病変合併の頻度、その予後への影響が明らかとなりました。
結果
対象:急速進行性糸球体腎炎(RPGN)合併のANCA関連血管炎
症例数:1147例
肺病変合併は52%(600例)であり、その中でも
- 間質性肺炎は 26%(301例)
- 肺胞出血は 15%(177例)
に合併していました。
さらにANCA関連血管炎の中で、肺合併症がない症例の5年生存率は73.3%でしたが、
- 間質性肺炎合併の5年生存率は 50.2%
- 肺胞出血合併の5年生存率は 41.5%
と、肺病変合併例はその後の生存期間が短い傾向にあったようです。
<まとめ>
日本の多施設コホート研究では、RPGN合併のANCA関連血管炎で、間質性肺炎は約4分の1に認め、5年生存率は50%と間質性肺炎合併例は予後不良な経過をたどる。