サルコイドーシスの肺病変の病型には人種差がある、アジアでは?

サルコイドーシスは地域性があり、日本ではとてもまれな疾患です。

 

肺は重要な臓器合併症の一つですが、無症状やリンパ節が腫大するだけのものから、強い肺の線維化を起こし、息切れや酸素状態の悪化をきたすものまで、その病型は極めて多彩です。

 

 

実は、その肺病変の病型も人種によっても大きく異なることはご存じでしょうか。

Brito-Zerón P, Kostov B, Superville D, Baughman RP, Ramos-Casals M, Autoimmune Big Data Study Group. Geoepidemiological big data approach to sarcoidosis: geographical and ethnic determinants. Clin Exp Rheumatol 2019;37:1052–64.

 

 

これは、肺病変の病型を人種ごとに分類した図です。

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図. 人種別の画像ステージの割合(文献より引用)。BAA; Black/African Americans.

 

ここでの画像ステージとは、

  • Stage 0:正常
  • StageⅠ:両側肺門リンパ節腫大あり、肺野陰影なし
  • StageⅡ:両側肺門リンパ節腫大あり、肺野陰影あり
  • StageⅢ:両側肺門リンパ節腫大なし、肺野陰影あり
  • StageⅣ:収縮やブラを伴う広範な肺の線維化

と定義されています。

 

一番右の円グラフがアジアを表していますが、

アジアでは比較的軽症な患者が多く、間質性肺炎(画像StageⅣ)をきたすような患者は極めてまれで、全体の約4%です。

 

 

このように、サルコイドーシスの有病率には地域性があり、肺病変の病型も人種によって極めて多彩であることがわかります。

 

 

<まとめ>

サルコイドーシスの画像重症度には人種差があり、アジアでは比較的軽症な患者が多く、間質性肺炎(画像StageⅣ)をきたすような患者は極めてまれ(全体の約4%)である。

 

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