特発性肺線維症(IPF)の合併症には、肺だけでなく、肺外の病変としても様々なものが報告されています。
これら合併症は、無症状のこともあるため、特発性肺線維症(IPF)の診療を行う際にどの程度合併症を検索するか、によって大きく頻度は異なります。
また、合併症に関しては、IPFの進行や死亡率の悪化に影響することも報告されていますので、注意が必要です。
2017年には日本からIPFとこれら合併症との関係をまとめたレビューが報告されました。
例えば、喫煙は、特発性肺線維症(IPF)の発症リスク因子といわれています。また、もちろん喫煙は肺癌の発症リスク因子でもありますが、肺癌はIPFにおける主要な死因の一つでもあります。
また、IPFでは逆流性食道炎の合併率が高いことが報告されていますが、逆流性食道炎があることでIPFの進行や急性増悪のリスクが悪化することもわかっています。
特発性肺線維症(IPF)だけでなく間質性肺炎の診療では、これら合併症にも注意して、診療を行うことがとても大切です。