2020年にアメリカ胸部医学会(ATS)から在宅酸素療法についてのガイドラインが提唱されました。
間質性肺炎に関しては、以下の2つの項目について解説されています。
- 安静時に重度の低酸素がある場合、在宅酸素療法は勧められるか。
- 労作時に重度の低酸素がある場合、労作時のみの酸素療法は勧められるか。
本日は、この項目②について解説します。
労作時に重度の低酸素がある場合、労作時のみの酸素療法は勧められるか。
間質性肺炎の患者では、安静時の酸素状態は良好でも、労作時のみ低酸素となる場合が多くあります。
日常生活で動いたときにのみ低酸素となっていても、それが慢性的に変化が起こってしまうと、まったく症状に現れず気づかれないことは多く経験します。
検査としては、6分間歩行試験を行うことで、患者の労作時にどの程度酸素化が悪化しているかの指標とします。
また、外来患者では、24時間のSpO2モニタリングを行うことで、実際に実生活でどの程度、低酸素状態となっているか詳しく調べることも多いです。
しかし、実はこの労作時の低酸素状態のみに対して、酸素投与をしたほうがよいかについては結論は出ていません。
エビデンスという意味でも不足しており、過去にランダム化比較試験も行われていないのが現状です。
このような患者に酸素投与を行うべきか、ATSでは以下のようにコメントされています。
ATSの推奨
- 労作時のみ酸素療法を処方する
- conditional recommendation(条件付き推奨)
- low-quality evidence
労作時のみ重度の低酸素血症がある場合、酸素投与をしたほうがよいのかどうか、悩む患者は多いのが実際です。
これは個人の見解ですが、酸素投与による何らかのメリットがある場合、つまりQOLの改善につながるような場合には処方を提案しています。
<まとめ>
間質性肺炎患者で労作時のみ重度の低酸素がある場合、条件付きで労作時のみ酸素療法をすすめる。しかし、その根拠は乏しく、今後の検証は必要である。