リジン尿性蛋白不耐症とはどんな病気?まずは概要について解説

リジン尿性蛋白不耐症という病気をご存じでしょうか。

 

この記事をお読みいただいている方からリジン尿性蛋白不耐症に伴う間質性肺炎のことを教えていただきました。

 

私自身、間質性肺炎を専門としていますが、お恥ずかしい話でこの原因については勉強が不足していました。私自身の勉強もかねて、このリジン尿性蛋白不耐症に伴う間質性肺炎についてまとめさせていただきます。

 

 

 

そもそもこのリジン尿性蛋白不耐症ですが、国の指定難病に登録されているとてもまれな病気です。

 

英語ではlysinuric protein intolerance(LPI)と表記されます。

 

遺伝的な原因によりアミノ酸(具体的には二塩基性アミノ酸であるリジン、アルギニン、オルニチンという3つのアミノ酸)が腸からの吸収ができず、体内のアミノ酸が不足して、多彩な症状を起こします。

 

 

現在、日本での患者数は約30-40人ほどといわれています。

 

特発性間質性肺炎の患者数は約1万5千人以上といわれていますので、リジン尿性蛋白不耐症がいかに希少疾患かがわかります。

(難病情報センターHPより引用)

 

 

 

原因はSLC7A7という、アミノ酸の吸収に関わる蛋白を作るための遺伝子の変異が指摘されています。

 

しかし、その詳細な病態はまだわかっていないことが多いようです。

 

 

 

間質性肺炎はこのリジン尿性蛋白不耐症の肺合併症の一つに挙げられています。

 

間質性肺炎が初発のこともあるようで、その他症状を伴う場合には原因の一つとして考えなければなりません。

 

 

 

<リジン尿性蛋白不耐症>

  • 原因:二塩基性アミノ酸の輸送蛋白の一つであるy+LAT-1(y+L amino acid transporter-1)の機能異常
  • 原因遺伝子:SLC7A7
    • y+LAT-1(y+L amino acid transporter-1)の責任遺伝子
    • 常染色体劣性遺伝
  • 病態:二塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン、オルニチン)の吸収障害
    • 小腸からの吸収障害
    • 腎尿細管上皮からの再吸収障害
    • 詳細な病態はまだ不明
  • 症状:多彩

 

 

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