在宅酸素療法の適応基準の一つに、
慢性心不全
- 医師の診断により、NYHAⅢ度以上であると認められ、
- 睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ、
- 無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数および低呼吸数をいう)が20以上であることが、睡眠ポリグラフィ上確認されている症例
という項目があります。
ここでNYHAⅢ度という用語がでてきました。
NYHAとは、New York Heart Associationの略語で、NYHA心機能分類というニューヨーク心臓協会の定める心不全の症状の程度を4段階で分類する指標になります。
具体的には、
- NYHAⅠ度:身体活動に制限はない。
- 日常的な身体活動では著しい疲労、動悸、呼吸困難を生じない。
- NYHAⅡ度:軽度の身体活動の制限がある。
- 安静時には無症状。
- 日常的な身体活動で疲労、動悸、呼吸困難を生じる。
- NYHAⅢ度:高度な身体活動の制限がある。
- 安静時には無症状。
- 日常的な身体活動以下の労作で疲労、動悸、呼吸困難を生じる。
- NYHAⅣ度:心疾患のため、いかなる身体活動も制限される。
- 安静時にも心不全症状が存在する。
- 身体活動によって症状は増悪する。
が基準となります。
つまりNYHAⅢ度とは、
安静時には症状がないけど、
日常的に行う生活に満たない労作で疲労、動悸、呼吸困難を感じる状態です。
NYHA心機能分類は主観的な症状で構成されており、定量性・客観性に乏しいことが欠点ではありますが、この基準は様々な場面で広く用いられています。