間質性肺炎の酸素投与について、エビデンスは不足しています。そこで、間質性肺炎の専門家を対象とした国際的なアンケート調査が2019年に報告されました。
日本を含む世界17カ国の間質性肺炎の専門家42名(39名が内科医、3名が看護師)を対象として、デルファイ法を用いたアンケート調査を行いました。
この調査の結果、
- 安静時に重度の低酸素血症がある場合
- 労作時のSpO2が85-89%未満で、特に何らかの症状を伴ったり、行動範囲の制限を伴う場合
を満たす方には、酸素投与を行うことに同意が得られるアンケート結果でした。
(重症の安静時の低酸素血症:PaO2<55mmHg、SpO2<89%、PaO2<60mmHgかつ肺性心か多血症)
酸素投与の資金源、低酸素飽和度の基準、臨床症状、必要な検査に関しては地域差があったようです。
酸素投与をどのような方に導入したらよいのか、明確な基準は定められていません。
日本では在宅酸素療法が健康保険で定められていますが、その適応基準を参考に、酸素投与の是非を判断しています。