酸素投与の基準:国際アンケート調査2019

間質性肺炎の酸素投与について、エビデンスは不足しています。そこで、間質性肺炎の専門家を対象とした国際的なアンケート調査が2019年に報告されました。

Lim RK, et al. Oxygen in patients with fibrotic interstitial lung disease: an international Delphi survey. Eur Respir J 2019;54. https://doi.org/10.1183/13993003.00421-2019.

日本を含む世界17カ国の間質性肺炎の専門家42名(39名が内科医、3名が看護師)を対象として、デルファイ法を用いたアンケート調査を行いました。

この調査の結果、

  • 安静時に重度の低酸素血症がある場合
  • 労作時のSpO2が85-89%未満で、特に何らかの症状を伴ったり、行動範囲の制限を伴う場合

を満たす方には、酸素投与を行うことに同意が得られるアンケート結果でした。

(重症の安静時の低酸素血症:PaO2<55mmHg、SpO2<89%、PaO2<60mmHgかつ肺性心か多血症)

酸素投与の資金源、低酸素飽和度の基準、臨床症状、必要な検査に関しては地域差があったようです。

酸素投与をどのような方に導入したらよいのか、明確な基準は定められていません。

日本では在宅酸素療法が健康保険で定められていますが、その適応基準を参考に、酸素投与の是非を判断しています。

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