日本初のがん悪液質に対する薬剤:エドルミズ

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日本初の「がん悪液質」に対する内服薬であるアナモレリン塩酸塩錠(商品名:エドルミズが発売されました。

 

非小細胞肺癌に伴うがん悪液質患者を対象にした臨床試験(ONO-7673-04試験)では、

LBM(除脂肪体重)の12週間の平均変化量は、

  • エドルミズ群:1.38±0.18kg
  • プラセボ群:-0.17±0.17㎏

と、エドルミズはプラセボに比較して有意に増加させたようです。

Katakami N, et al. Anamorelin (ONO-7643) for the treatment of patients with non-small cell lung cancer and cachexia: Results from a randomized, double-blind, placebo-controlled, multicenter study of Japanese patients (ONO-7643-04). Cancer 2018;124:606–16.

 

また、内服3週時点で効果が確認され、その後12週間にわたりLBM増加(左図)や体重増加(右図)が維持されています。

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(図. 内服後のLBM(左)と体重(右)の変化。文献より引用掲載)

 

エドルミズはグレリン様作用をもつ薬剤であり、

 ①食欲増進作用

 ②成長ホルモンの分泌を介した筋肉量の増加、体重増加

の作用が期待されていますが、効果がない場合には、3週間後を目途に中止することが記載されています。

(実際の使用に関しては添付文書を確認してください)

 

 

また、消化器癌に伴うがん悪液質患者を対象にした臨床試験(ONO-7673-05試験)では、LBM(除脂肪体重)の維持・増加が認められた患者(レスポンダー)の割合は、63.3%でした。

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文献(Hamauchi S, et al. A multicenter, open-label, single-arm study of anamorelin (ONO-7643) in advanced gastrointestinal cancer patients with cancer cachexia. Cancer 2019;125:4294–30)より引用掲載

 

 

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(最終アップデート:2022年1月14日)

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