過敏性肺炎では肺活量が10%以上低下すると予後不良の可能性

過敏性肺炎は、微生物、真菌、動物由来のタンパク、無機物などの抗原を繰り返し吸入することで生じる間質性肺炎と考えられています。

間質性肺炎の中には進行性に線維化が進行する一群があり、これらは近年、進行性線維化を伴う間質性肺疾患:PF-ILD)とよばれ注目されています。

過敏性肺炎における疾患進行を評価するうえで、努力肺活量(FVC)の意義を検討した研究が報告されました。

Gimenez A, et al. Change in FVC and survival in chronic fibrotic hypersensitivity pneumonitis. Thorax 2018;73:391–2.

この報告では112例の慢性過敏性肺炎を対象として、

6-12か月時点で努力肺活量(FVC)が10%以上低下するかどうかで2群にわけて検討しています。

(112例中、15例が6か月時点で評価、97例が12か月時点で評価しています)

さらに多変量解析では、%FVCの低下が10%以上の群は予後不良の予測因子であったようです(HR4.13、95%CI 1.96-8.70、p=0.005)。

慢性過敏性肺炎において、努力肺活量(FVC)の経時的な変化をモニタリングすることは、とても重要である可能性が示されました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!