間質性肺炎の中には進行性に線維化が進行する一群があり、これらは近年、進行性線維化を伴う間質性肺疾患:PF-ILD)とよばれ注目されています。
PF-ILDにおいて、疾患進行を評価する際にどのような臨床的な指標がよいのか、まだ明確に定まってはいません。症状や胸部CT所見、肺機能など様々な評価項目がありますが、臨床的に有用である可能性のある基準案が報告されました。
このレビューによると、以下のような項目が基準案として提示されています。
<呼吸機能>
- 努力肺活量(FVC)の年間減少率(ml/year)
- 努力肺活量の絶対または相対変化(mlまたは%予測値)
- 肺拡散能力(DLCO)%予測値の絶対または相対変化
<運動耐容能>
- 6分間歩行試験での歩行距離の絶対変化
- 6分間歩行試験中の酸素飽和度(SpO2)の最低値の変化
<症状および患者報告アウトカム>
- 症状の変化
- 日常生活運動耐容能の変化
- 息切れ、咳、生活の質に関する質問票
<急性増悪>
- 線維症の急性増悪(特発性またわ誘発性)
- 呼吸器が原因の非待機的入院
<胸部HRCT検査>
- HRCTで線維化の特徴を示す範囲またわテクスチャの変化
- HRCTで線維化スコアの量的変化
<支持療法の必要性>
- 運動時の携帯型酸素療法の開始
- 安静時または酸素流入量が変化したときの酸素補充療法の開始
<血清バイオマーカー>
- 検証されたものはない
- 臨床診療にはまだ適応されていない
これら指標をもとに、疾患進行を評価することがとても重要です。