関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis; RA)は、多発の関節炎を特徴とする膠原病ですが、間質性肺炎を合併することはよく報告されています。
イギリスの9つの施設から、1460例の関節リウマチ患者を対象とした研究が報告されました。少し前のデータにはなりますが、1986年から1998年の関節リウマチ患者を対象に約10年間の観察期間(最長は23年間の観察)を経た報告です。
本研究の結果では、12586人年の間に43例(2.9%)の間質性肺炎が診断され、さらに死亡時に9例(0.6%)が間質性肺炎が合併していることが指摘されました。そのため、最終的には観察期間中の間質性肺炎合併は52例(3.7%)となっています。
また間質性肺炎を合併した時期は、約半数が関節リウマチ診断時もしくは発症から3年以内に間質性肺炎を合併したようです。
関節リウマチ患者の間質性肺炎の年間発症率は1000人あたり4.1人であり、15年間の累積発症率は1000人あたり62.9人でした。
また、関節リウマチ患者における間質性肺炎の合併の危険因子も検討され、発症時の年齢、ESR(赤血球沈降速度)、HAQ(Health Assessment Questionnaire)が高値であるほど発症リスクは上昇することも報告されています。
(HAQは慢性疾患患者の身体的要素としての機能障害の程度を評価するための指標です。患者さん自身がアンケート形式で行います。)
本研究の結果から、関節リウマチ患者において、間質性肺炎は関節リウマチの発症早期に合併しやすく、また年間発症率は約0.4%、15年の期間を見ると約6%に間質性肺炎を合併することがわかります。