特発性肺線維症以外の間質性肺炎においても、進行性に線維化が悪化するフェノタイプが存在することは解説させていただきました。 特に膠原病では、間質性肺炎合併は予後不良な合併症であることが示唆されています。
2000年に日本で初めてリウマチ性疾患領域で開始された関節リウマチの前向き大規模コホート研究が設立され、IORRA研究(Institute of Rheumatology, Rheumatoid Arthritis)と呼ばれています。
このコホートから、関節リウマチの死因について、2000年から2007年の16歳以上の関節リウマチ患者、約8000人のデータをまとめた研究が報告されています。
この研究の対象患者は多くが女性(81.9%)で、平均年齢は56.3歳でした。観察期間が35443人年のうち、289例が死亡されています。
このコホートでは、関節リウマチの主な死因は、
- 悪性腫瘍:24.2%
- 呼吸器疾患:24.2%
- 心血管障害:13.8%(うち心筋梗塞が7.6%)
- 脳血管疾患:8.0%
でした。
呼吸器疾患の中では最も肺炎(12.1%)が多く、次に間質性肺炎(11.1%)が続きます。
さらに、間質性肺炎は予後にかかわる重要な因子であったようです(HR4.16, 95%CI 1.24-13.95, p=0.021)。
関節リウマチ患者において、間質性肺炎は死因の10%程度を占め、予後にかかわる重要な因子であったようです。