新型コロナ感染後の経過に関する海外からの報告です。
中国の新型コロナウイルス感染症を発症した2469例のうち、退院した1733例の経過に関する研究が報告されました。
新型コロナウイルス感染症発症時の患者背景は、年齢の中央値は57歳、男性が52%、観察期間は約6か月程度です。入院中に全体の68%が酸素投与を必要とし、7%が高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)や人工呼吸器管理を要しています。
今回、新型コロナの重症度を以下の通り7段階に分類しました。
scale1:入院なし、普段通りの生活の再開が可能
scale2:入院なし、普段通りの生活の再開が困難
scale3:入院したが、酸素投与は不要
scale4:入院し、酸素投与が必要
scale5:入院し、高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)や非侵襲的人工呼吸器管理が必要
scale6:入院し、挿管管理や体外式膜型人工肺(ECMO)が必要
scale7:死亡
(日本の基準では、scale1-2が軽症相当、scale3-4が中等症相当、scale5-7が重症相当と思われます。)
それぞれ患者数は、scale3が439例、scale4が1172例、scale5-6が122例でした。
<発症6か月時点の症状>
発症後6か月程度の時点で、全体の76%が何らかの症状を有していました。
最も多いのは倦怠感や筋力低下(63%)であり、その後に不眠(26%)、脱毛(22%)、嗅覚障害(11%)と続きます。10%未満の頻度で認めた症状には動悸、関節痛、食欲不振、味覚障害、めまい、下痢・嘔吐などがあったようです。
modified MRCでGrade1以上の労作時呼吸困難を自覚していたのは全体の26%であり、scale3(24%)に比較してscale5-6(36%)の患者さんは有意に労作時呼吸困難を自覚している割合が多い傾向にありました。
modified MRCのGrade1は、「平坦な道を早足で歩く、あるいは緩やかな上り坂を歩くときに息切れがある」に相当する労作時の呼吸困難です。modified MRCについては以下の記事にまとめていますのでご覧ください▼▼▼