新型コロナの後遺症:システマティックレビュー2021

新型コロナ感染による後遺症のシステマティックレビューが報告されました。世界中の約1250本の論文をスクリーニングし、最終的に評価に値する45本の論文を解析した結果です。

Nasserie T, Hittle M, Goodman SN. Assessment of the Frequency and Variety of Persistent Symptoms Among Patients With COVID-19: A Systematic Review. JAMA Netw Open 2021;4:e2111417.

 

 

新型コロナ発症後少なくとも60日以上経過した時点で、何らかの症状が残存していた患者は全体の72.5%でした。

 

呼吸器症状は

  • 息切れ:36.0%
  • 咳:16.9%

で認め、その他症状においては

  • 疲労感:40.0%
  • 不眠:29.4%
  • うつ症状:22.1%
  • 不安:14.9%
  • 胸痛:13.1%
  • 嗅覚障害:11%
  • 味覚障害:9%
  • 発熱:1.0%

で認める可能性があると報告しています。

 

これら後遺症の定義や新型コロナの重症度など様々な要因が関与しているため結果の解釈は難しいですが、少なくとも今回の研究結果では、発症後2か月以上たった時点でこのぐらいの頻度で症状が続く患者がいるようです。

f:id:fibrosis:20210802201906p:plain

(Crook H, et al. Long covid-mechanisms, risk factors, and management. BMJ 2021;374:n1648)

 

 

いたずらに不安を煽るでも安心させるでもなく、日々感染対策しながら、新型コロナの流行が一日でも早く治まってくれることを願います。

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