過敏性肺炎は、微生物、真菌、動物由来のタンパク、無機物などの抗原を繰り返し吸入することで生じる間質性肺炎であり、主にⅢ型、Ⅳ型アレルギーが原因と考えられています。
過敏性肺炎の治療では、その抗原からの回避がとても大切で、抗原が不明なものは予後不良と報告されています。これに関しては、こちらの記事もご覧ください。
過敏性肺炎の有病率、罹患率について、2004年から2013年のアメリカの保険請求データベースを用いた研究が2018年に報告されました。
Fernández Pérez ER, et al. Epidemiology of Hypersensitivity Pneumonitis among an Insured Population in the United States: A Claims-based Cohort Analysis. Ann Am Thorac Soc 2018;15:460–9.
本研究結果では、過敏性肺炎の1年間の有病率、罹患率はそれぞれ
- 有病率:10万人あたり1.67-2.71人
- 罹患率:10万人あたり1.28-1.94人
でした。さらに、年齢とともに有病率は上昇し、65歳以上に限定すると、有病率は10万人あたり11.2人となるようです。
また、慢性過敏性肺炎では、
- 有病率:10万人あたり0.91-1.70人
- 罹患率:10万人あたり0.63-1.08人
であり、線維化性過敏性肺炎では、
- 有病率:10万人あたり0.41-0.80人
- 罹患率:10万人あたり0.29-0.43人
となるようです。