特発性肺線維症では胸部CT検査でUIPパターンという特徴的な画像所見を伴います。
しかし、慢性過敏性肺炎(CHP)では画像UIPパターンを呈する一群があり、特発性肺線維症(IPF)といかに画像的に識別するかはとても難しい問題です。
この点に着目した研究が2020年に日本から報告されました。
対象
- トリ関連の慢性過敏性肺炎(n=49)
- 特発性肺線維症(n=49)
画像所見から両者の診断が合致したのは、
過敏性肺炎で79%、特発性肺線維症で53%でした。
画像所見の広がりでは、各所見(以下)はいずれも両者で差がありませんでした。
(画像所見:GGA、airspace consolidation、GGA+TBE、airspace consolidation+TBE、honeycombing、intralobular reticular opacity、emphysema、cyst、centrilobular nodules)
画像所見の有無では、
特発性肺線維症に比較して、過敏性肺炎では
- 上中葉優位の所見(CHP 20% vs IPF 7%)
- 広範囲のGGA(CHP 55% vs IPF 37%)
- 多量の微小結節(CHP 19% vs IPF 3%)
が多い傾向にあり、
(気管支血管側優位の分布、不連続な嚢胞(discrete cysts)、びまん性に広がるすりガラス影、気管支肺区域でのコンソリデーションは両群に差はなし)
多変量解析では特に、
上中葉優位の所見と多量の微小結節が
両者を識別するのに有用な画像所見である可能性が示唆されました。