新型コロナ退院後の間質性肺炎:ステロイド治療が有効な一群(イギリス)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症調査について、遷延する症状について日本からの研究結果は報告させていただきました。

「新型コロナの後遺症調査:日本の電話インタビュー結果」

 

新型コロナで入院した患者さんを対象に、

退院後のステロイド治療を調べたイギリスからの重要な報告です。

Myall KJ, et al. Persistent Post-COVID-19 Interstitial Lung Disease. An Observational Study of Corticosteroid Treatment. Ann Am Thorac Soc 2021;18:799–806.

 

 

退院後4週時点で837例に電話調査を行った結果、

325例(39%)になんらかの症状があり、

77例(9.2%)には肺野の異常陰影を指摘されています。

 

そのうちで新型コロナウイルス感染後の間質性肺炎と診断されたのは、

59例(7.0%)でした。

このうち、

  • 3例は過去にステロイド治療され陰影はほぼ治癒過程の変化
  • 21例は狭い範囲(肺野の15%未満)で瘢痕化していたり肺機能障害なし
  • 残りの35例(4.8%)が器質化肺炎のような陰影で機能障害を伴い、ステロイド治療が推奨されました

この35例中30例でステロイド治療*が行われましたが、

全例で呼吸困難や肺機能、胸部CT画像の改善を認めています。

 

*ステロイド治療について

  • 開始時は退院後61±19日目
  • 開始時投与量の平均はPSL26.6mg(最大は0.5mg/kg)

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