強皮症の死因:35%が間質性肺炎

特発性肺線維症以外の間質性肺炎においても、進行性に線維化が悪化するフェノタイプが存在することは解説させていただきました。

⇒⇒⇒間質性肺炎の新たな治療戦略:進行性に線維化が悪化するフェノタイプ

 

特に膠原病では、間質性肺炎合併は特に予後不良なことが示唆されています。

 

全身性強皮症ではどうでしょうか。

 

2004年から2008年にヨーロッパの全身性強皮症コホート(EUSTAR)に登録された5860例の全身性強皮症患者を対象とした研究があります。

Tyndall AJ, et al. Causes and risk factors for death in systemic sclerosis: a study from the EULAR Scleroderma Trials and Research (EUSTAR) database. Ann Rheum Dis 2010;69:1809–15.

 

観察期間中に全身性強皮症によって死亡した症例は128例であり、その内訳は、

  • 35% 間質性肺炎
  • 26% 肺高血圧症
  • 26% 心病変
  •   8% 腎病変
  •   5% 消化管病変

という結果でした。

 

間質性肺炎は全身性強皮症においても予後不良な合併症です。

最近では、これら全身性強皮症に伴う間質性肺疾患に対するニンテダニブの効果(SENSCIS試験)が報告され、保険収載されています。

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