新型コロナで脚光を浴びたデキサメサゾンですが、これまで幾度となく肺炎に対する有効性は議論されてきました。
今回オランダから、肺炎に対するデキサメサゾンの有効性を検討した研究が報告されました(多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対象試験)。
18歳以上の市中肺炎患者を対象に、
デキサメサゾン(6mg1日1回を4日間)経口投与群とプラセボ群にわけ、
入院期間を比較評価しました。
結果は、
- デキサメサゾン投与群の入院期間中央値は4.5日
- プラセボ群の入院期間は5.0日
であり、デキサメサゾンにより肺炎患者の入院期間は有意に短縮しました(p=0.03)。
また、デキサメサゾン投与群では、ICU入室率の低下を認めています。
(ICU入室率:デキサメサゾン群3% vs プラセボ群7%、p=0.03)
しかし、30日死亡率には差がなく、
(30日死亡率:デキサメサゾン群2% vs プラセボ群4%、p=0.34)
再入院率はむしろデキサメサゾン投与群で高い傾向にありました。
(再入院率:デキサメサゾン投与群10% vs プラセボ群5%、p=0.051)
デキサメサゾン投与により、入院期間の短縮とICU入室率の低下は得られましたが、
30日死亡率は変わらず、むしろ再入院患者が多い傾向でした。
どのような患者さんに対してデキサメサゾンを投与すべきかはさらなる検討が必要です。