特発性肺線維症(IPF)の急性増悪の原因の一つにウイルス感染があります。
2011年に急性増悪時と安定期の気管支肺胞洗浄液(BAL液)を用いてウイルスの検査を行い、急性増悪時のウイルス感染を調べた研究が報告されました。
Wootton SC, et al. Viral infection in acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis. Am J Respir Crit Care Med 2011;183:1698–702.
本研究の結果では、特発性肺線維症の急性増悪(43例)のうち、9%(4例)でBAL液のPCR検査が陽性となり、その内訳は
- ライノウイルス:2例(4.7%)
- コロナウイルス:1例(2.3%)
- パラインフルエンザウイルス:1例(2.3%)
でした。またこれらウイルスはIPFの安定期のBAL液では認めていません。
少数例の研究ではありますが、BAL液を用いた貴重な報告です。今回の研究結果でこれらウイルスが急性増悪と関与している可能性が示唆されました。